紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

「闇の自己啓発」

 

 

難しかったけど何とか読み切りました。

 

この本は4人の著者たちが月に1回行われる読書会の様子を対談形式でまとめたものだ。
 
著者たちが私と同年代と言うのも非常に驚いた。知識や見識がまるで違う。。
私はこういうぶっ飛んだ人たちが好きだ。
自分もこうありたいなあという一種の厨二病みたいなものかもしれない
 
 
 
 
例えば社会に迎合できない人間たちに対して話術や時間管理、仕事のできる人の考え方をインストールして社会に迎合(この本で言う「人形」になる)させるのが「光の自己啓発」だとしたら、そんなに苦しいなら脳に快楽が何十倍にもなるチップ埋め込んで何をしても脳内麻薬出るような世界にexitすればいいんじゃないか?というのが「闇の自己啓発」だ。とにかく難しいので全然理解が追いついていないのだが、テクノロジー、思想、社会問題、小説や漫画にまで様々な知見がある著者たちの(しかも同年代!)対話は迫力がありSF感がある。

 

Exitしたい

この本は既存の自己啓発に対するアンチテーゼである。
既存の枠組みの中で自己啓発を続けても、その先にあるのは「人形」としての質が少し高くなる程度のものだ。
個性が殺され、ただただ忠実に会社や社会、家族に強いられた役割を演じなければならない現代社会では多くの人が「人形」として生きている。
もちろん自らが質の高い「人形」となり、それぞれの役割を全うするのは非常に大切だ。
 
でもこの本を読むと、それってただの「人形遊び」だよね、と考えられる。
よく人生を「ゲーム」と表現する人がいるけれども、それと同じ感覚だと思う。
 
この本の著者たちはそんな「人形遊び」「ゲーム」としての人生をExitすることを考えている。
それは「人形」になることに対してNoを突きつけ、新しい解を自ら作り出してExitすることだ。
具体的にどういうこと?となると現実的な解はまだないが、例えば将来的には自分の脳を取り出して、培養しながら刺激を与え続けることで幸福を感じられる、といったこともテクノロジーの進歩によって可能かもしれない、というような内容を話している。(それはそれで人形よりひどいととらえる人もいると思うが。。)
 
そもそもそういう思考をするのが楽しい。
この世は、特に日本という国では既存の枠組みにハマらない人は窮屈な思いをしながら生きている人も多い。
大の大人4人が集まって反出生主義について会話している本なんかたぶんないよ。
 
既存の枠組みを飛び越えて物事を思考することができれば、そしてオルタナティブな解を自らが作り出すことができれば、人生はもっと楽しいものになるのかもしれない。