石田衣良 「傷つきやすくなった世界で」 感想ブログ
こんばんは
先日ありえない量の積読を公開してから読書にかける時間が増えたような気がします.
hyos1-2otuk1-8sytd372.hatenablog.com
石田衣良さんのエッセイ「傷つきやすくなった世界で」を読んだので感想を書いてみることにしました.
作家:石田衣良
石田衣良さんは小説家.代表作は「池袋ウエストゲートパーク」でしょうか?
私はまだ読んだことありませんが「娼年」や「逝年」は読みましたし,「シューカツ!」や「アキハバラ@DEEP」なんかは積読の中に眠っています.
ってことで小説はまだ2冊しか読んだことありませんが,年代の違う登場人物たちそれぞれの胸の内や葛藤などを繊細に書いているなあという印象でした.
「傷つきやすくなった世界で」
今回読んだこの本はエッセイ,雑誌「R25」の連載をまとめたものになっています.
社会における格差が顕著になっている昨今,他人に関心がなかったり,他人を蹴落とすために批判したりする世の中に対して石田衣良さんが持論を展開するお話が中心になっています.
印象に残っている話
”「迷う」力の素晴らしさ” という題目でこんな話が
きっと今は誰も失敗したくない時代なのだろう.ただしい答えを1秒でも早く得たくて必死なのである.だけど,みんな,決して損をしない,間違いもしない人生なんて,つまらなくて貧しいじゃないか.
競争が激しい現代社会.いち早く正解を見つけ出すため皆成功までの最短ルートを求めたがる.今は困ったことがあってもインターネットで検索すれば大体の答えは手に入ってしまう.
迷い,考えて答えを見つけていく過程こそが人生の醍醐味だと著者は言っている.
私たちは検索する前に「ここで検索したら迷う楽しさが失われてしまうなあ」なんて考えずにすぐさま検索して最適解を見つけ出す.もちろん検索技術は大勢の人がその恩恵をこれからも受け続けていくわけだけれども,それに伴う副作用も忘れてはいけないよというのが著者のメッセージだ.
日常を切り取る力
このように私たちが毎日行っているインターネットでの検索ひとつとっても,文章でお金を稼いでる人の文章は日常に鋭く切り込んでくる.きっと石田衣良さんがブログを始めたら日常の何でもかんでもネタにして面白い文章が書けるんだろうなあと思いました.
もちろんブログを毎日書くよりも難しそうな執筆活動を毎日やっているんでしょうから当然といえば当然なのでしょうけど...
作家のエッセイを読むと日常に鋭く切れ込んでいく感性を磨いていけそうです.ぜひ参考にしたいですね.
積読になっている小説も早く読みたいですね(笑)
それでは