大学院生の皆さん、日々忙しく研究に勤しんでいますか?
しかし我々は所詮学生です。忙しそうにしているだけなんだろうなあと最近気づきました。
大学院生のやっている研究内容は分野に限らず、どの研究室を見ても大変素晴らしいものだとは思いますが(そもそも研究内容が世の中の役に立たなかったら研究費が貰えず、大学の研究室として残ってはいないと思います)、多くの場合その生活スタイルはあまり参考にはできないでしょう。自戒の念もこめて書いてみたいと思います。
大学院生は忙しい?
私は今こんなようなやることがあります。確かにやるべきことは多岐にわたっています。どの理系大学院生も似たり寄ったりでしょう。
- 授業への出席・課題レポートなど
- ゼミへの出席
- TA(ティーチング・アシスタント)のバイト
- 論文を書く
- 研究会で発表する資料作り
- 自分の研究(実験など)
この他、ただの雑用だったり電話番だったり関係ないこともたくさんやらされます。
大学院生は言います、「忙しい」と。
しかしその忙しさは社会人から見たらたいしたことはないのでしょう。
研究室では研究の合間にツイッターを見たってフェイスブックを見たって何も問題ありません。(もちろん教員が見たら立場上注意はしますが怒られることはありません)。そもそも午後に来る人が大半だしね。「オン」と「オフ」の切り替えは驚くほど下手でしょう笑
のびのびと自分の研究ができるという点ではいいと思いますが。
学生はお金を払って大学で研究をしているわけですから、労働基準法もパワハラもありません(セクハラやアカハラはありますが)。
先生たちは学生がたとえ研究室に来るのが夕方でも、研究室でオンラインゲームをしようと、ゼミの準備が終わらず研究室に泊り込もうと、研究結果さえ持って来ればどのように時間を使おうと構わないのでしょう。企業で言う「最短時間で最高のアウトプットを出す」なんていう話とは無縁の世界で過ごしています。
学生の側だって実は「忙しい、忙しい」と言いながら研究室でダラダラ研究しているほうが楽なのだと最近気づきました。いざ休日暇になってもやることがないのです。私の知っている大学院生の多くは社会との接点を積極的に持とうとしません。だって「忙しい」し、「めんどくさい」から。だから休日でも研究室に来て研究している人が多い。(決して効率はよくないと思いますが)
いい意味でも悪い意味でもアットホームな環境であることは間違いありません。
昼休みには(研究室には昼休みという概念はないですが) 学生同士でご飯を食べに行ったり、月に一度くらいは研究室で飲み会をしたり(外でやることももちろんありますが)、飲み会に先生が出席していればかなり多 めに支払ってくれることもある。研究室は非常に過ごし易い環境であるとは思う。(もちろんこれは私が所属している研究室の話でぜんぜん環境が違う研究室も たくさんあることでしょう)
話が変わりまして社会人や海外の大学院との比較
よく理系は研究室がきつすぎて社会人になって企業で働き始めてからのほうが楽だよ、なんて話を聞いたこともありますが絶対そんなことはないと思います。日本のメーカーの多くはグローバルな競争にさらされています。また最近は東芝の不正会計問題や三菱自動車の燃費試験の不正など、世界と競争する以前の問題も浮上しています。研究室より楽な環境だったらあっという間に企業は衰退していってしまうでしょう。
最初に挙げたやることリストだって週5日、朝9時から夕方5時まできちんと集中してやっていれば絶対終わります。でも夕方5時に終わってもやることがないから研究室に居座ってしまう。みんなそんなもんなのかな?
比較のために海外の大学院の話をネットで探してみると、大変な違いに気づかされる。
アメリカの理系大学院生のほとんどは、学費免除(正確に言えば支給)のうえ、給料を月に20万円ほどもらいながら勉強している。
結果を出せない学生や怠けている学生は、卒業を待たずに解雇されることもある。
アメリカのような環境なら学生一人ひとりが危機感を持ち、日本の学生以上に研究に紳士に取り組んでいくのだろうか?それとも学生は危機感なんか持つ必要なんてないのかな?
でも日本の大学には日本の大学のよさがあるとは思いますけどね。ちょっと具体的には思いつきませんが。
まとめ
今回書いた記事はそういう学生が多いなあということを書いただけで(私も含めて)、時間の使い方が本当に上手な学生もいます。空いた時間で他の勉強をしたり、プライベートの時間をしっかり確保したりと,充実した生活を送っている人もいます。
日本の大学のレベルが落ちている、日本の技術は衰退したなんていう話は最近よく聞きますが、多くの技術者が技術者としての基礎を学ぶ研究室での過ごし方にその一因があるのではないのでしょうか?
(もちろんそんな気がするというだけで何の根拠もないですが)
そうは言っても私も何の実績も残していないただの日本の大学院生。今の環境で必死にがんばって専門性を身につけ、世界と戦っていけるような技術を身につけな ければいけないと思うと同時に、自分を売り込む技術も同時に磨いていかなければいけないと思います。がんばりましょう!!
参考記事